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リーダーシップとは

リーダーシップとは

 ・部下などのフォロワーに意識の変化を積極的に促す行動
 ・あるメンバーが集団内の他のメンバーの行動に影響を与えることによって、集団の目標達成を促すこと

です。

また、リーダーシップは、経営者や管理職などの組織のリーダーが発揮するものではなく、組織・集団内の誰
もが発揮するものでもあります。

リーダシップ論の変遷

時代の変化とともに、これまでにリーダーシップ論が多くの研究者によって提唱されてきました。

▼特性理論
 リーダーになる人には生まれ持った「資質」があることが前提

  ↓

▼行動理論
 リーダーシップはリーダーの「資質」ではなく、その行動特性に求めるべきであり、行動特性は育成可能
 (例)
  ・オハイオ研究(「構造づくり」と「配慮」)
  ・ミシガン研究(「仕事中心型」と「従業員中心型」)
  ・マネジアル・グリッド(「業績への関心」と「人間への関心」)

  ↓

▼状況適合理論
 唯一最善の「資質」や「行動」は存在せず、業績の良し悪しや、リーダーをメンバーの関係、リーダーの地
 位パワー、仕事の単調さ・複雑さなどの「状況」によってリーダーシップの取り方が変わる
 (例)
  ・フィードラー理論(LPCモデル)
  ・リーダー・メンバー交換理論
  ・SL理論
  ・パスゴール理論

  ↓

▼変革型リーダーシップ理論(カリスマ的リーダーシップ理論)
 組織のミッションや経営理念を基軸にして、組織変革を実現し、メンバーの意識改革を促す

このように、様々なリーダーシップ論が提唱されています。
しかし、どれが正解というわけでなく、また、1つの事象に対して有効なリーダーシップが1種類だけとは限りません。

各リーダーシップ理論の詳細については、別の機会に述べますが、各々のリーダーシップ理論を正しく理解した上で、
自社の組織の現状や運営方針、状況に適したリーダーシップ(理論)を選択します。

リーダーシップとマネジメント

マネジメントとは

企業におけるマネジメントとは、「経営管理」を意味します。また、ピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、
マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。

「経営管理」の代表的理論として、ファヨールの管理論がありますが、同理論では、「経営管理」は、

  ①計画  ②組織  ③指揮  ④調整  ⑤統制

の5つの段階から成るプロセスとしています。

①計画
  組織のミッションを理解して、業績目標を定め、具体的な計画に落とし込む。
②組織
  経営資源の配分と組織構成員を選定し、役割分担と責任を明確にする。
③指揮
  組織構成員に対して、指揮命令を行う。
④調整
  問題が発生した場合に、調整介入する。
⑤統制
  計画通りに業務遂行できているかを定期的に評価・モニタリングして、計画遅延が発生している場合には、
  計画の順守や修正を行う。

簡単に言えば、PDCA(Plan→Do→Check→Action)を回すことです。

また、管理論から発展した管理過程論では、 経営管理を実践する当たっての原則(管理原則)が示されました。

以下は、主な管理原則です。

①専門化の原則
  生産性を上げるために、専門部署等を設置する、特定の従業員に特定の業務を専従させる担当させる。
②統制範囲の原則
  上位層(上司)が下位層(部下)を統制できる範囲は有限であると認識し、適切に人員を割り振る。
③命令一元化の原則
  複数の上位層(上司)から1人の下位層(部下)に指示・命令を下してはならない。
④権限・責任一致の原則
  役割に与えられる権限の大きさは、責任と同じ量でなくてはならない。
⑤権限委譲の原則
  ある程度スキルが身についた下位層(部下)に対しては、権限を委譲し、上位層(上司)は、例外的な
  事態が発生した場合に介入し、事態の打開を図る。

管理原則は他にもありますが、これらは、管理職が知っておくべき原則です。

リーダーシップとマネジメントの関係

リーダーシップとは「部下などのフォロワーに意識の変化を積極的に促す行動」でした。
リーダーシップによって、意識を変化させたら、その意識の変化を「維持・安定」させる必要があります。

そのために必要となってくるのが、マネジメントです。
前述のマネジメントプロセスや管理原則を実行していくことです。

つまり、リーダーシップとマネジメントは、組織が目標達成に向け効率的な組織運営をしていく上で、両方
とも不可欠であり、いわば、「車の両輪」のような関係です。

リーダーシップの源泉

リーダーシップの源泉、換言すると、リーダーがメンバーに与える影響力の源泉とは、一言で言えば、
”信頼”です。

では「信頼とは何か?」ですが、信頼の根底にある要因を、以下にいくつか列挙します。

①誠実性
 約束を果たしたり、秘密を守ったりすること。

②専門性
 技術的にも対人的にも知識とスキルが高いこと。

③一貫性
 判断軸・考え方がブレない、言葉と行動が一致している。

④開放性
 メンバーに情報を与え、判断基準を明確に示し、また、自身が下した決断の根拠を説明する。

⑤公正性
 客観的かつ公平な評価や意思決定をしている。

このように、難しい理論での説明ではなく、こう言った当たり前のことが、リーダーシップの源泉になります。

最後に

今回は、「リーダーシップの定義」「リーダーシップとマネジメントの関係」「リーダーシップの源泉」
といった正解もなく、非常に抽象的な内容を述べていきました。

今回述べた内容を、リーダーシップ(論)の入り口として認識して頂けたらと幸いです。

なお、また別の機会に、各リーダーシップ論の詳細やその活用方法などを記載していく予定です。

これらについて、もっと詳しく知りたいという方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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