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経営ビジョン・経営計画の共有・共感の必要性
従業員にとって会社は、人生の中で多くの時間を費やす場所です。自身の人生・生活に大きく関係する会社
の経営をより身近に感じてもらい、モチベーションを高めて仕事のパフォーマンスを向上し、また、安心感
を抱いてもらうためには、経営ビジョンや経営計画さらには、実現プロセスを従業員と共有することはとて
も重要です。
また、部署ごとの目標や行動計画は、会社全体の経営計画は各職場の活動レベルに展開されます。これは、
各職場での日々の活動成果が会社全体の目標達成を左右する事を意味します。全社目標達成のために、職場
目標の浸透と職場での精度の高い計画策定が重要になります。
従業員重視経営の観点においても、「経営理念への共感」や「経営計画の理解・共感」は、従業員を方向付
けし、組織力を高めていく上で、非常に重要です。
(参考)組織の成立要件
アメリカの経営学者チェスター・バーナードが提唱した組織の成立要件では、
組織は、
・共通目的
・貢献意欲
・コミュニケーション
の3つから成立するもので、どれか一つが欠けても組織不全になる
とされています。
3要件を簡単に説明すると以下のとおりです。
共通目的:
経営理念、ビジョン、経営計画。
貢献意欲:
従業員のモチベーションが高まり、会社組織に貢献しようという意欲。
コミュニケーション:
上司などによるリーダーシップを通じた、共通目的の提示や従業員のモチベーションの引き出しや、
同僚間での情報共有やサポートなど、共通目的の共有と貢献意欲の向上のための手段。
このように、経営ビジョン・経営計画を従業員と共有し、従業員が共感することは、組織の成立要件(組織
力向上)の観点からも、必要であることが分かります。
経営計画の共有ポイント
以下に、従業員と共有する経営計画の主な内容を列挙します。
<経営計画書の主な内容>
・経営理念・経営ビジョン
・会社全体の前期総括(前期総括前期計画と実績の対比及び振り返り)
・各部門の前期総括
・自社の現状および自社を取り巻く外部環境
・中期経営計画
・今期事業計画
・今期行動計画
・各部門の行動計画
経営計画の共有手段として発表会を実施する場合には、一般従業員との距離が近い部門リーダーや従業員代
表による決意表明、仕事での良い成功事例をあげた従業員のスピーチ等、従業員が共感を抱き、仕事へのモ
チベーションに繋がる工夫も検討します。
また、発表会後に、アンケートを実施する事で、「計画が理解できたか」「どのように感じたか」など、共
感・浸透度を測定する事も有効です。
職場目標と計画の職場内全従業員との共有ポイント
職場の行動計画は課、係、更には職場メンバーの仕事レベルまで落とし込むことが理想です。
また、目標管理制度等にて策定した個人目標と連動させて、全員参加の意識を高めます。
個人目標と連動させる場合には、人事評価と連動させることに留意します。
以下は、職場内の全従業員に周知すべき主な事項です。
<主な周知事項>
1.「具体的」で「現実的」で「測定可能」な職場目標
2.会社目標と職目標場の関係性
3.職場目標達成に向けた重点課題
4.重点課題毎の具体的取組み内容、実施主体、期限等の大枠の示した行動計画
5.行動計画の実行を確保するための、日々、毎週、毎月、四半期、1年毎にチェックする項目、
主管職場、進捗確認手段
会社全体の経営計画や各職場の目標や行動計画などの共有内容や共有方法は、企業規模や事業場の点在程度
などによって異なりますし、上記のポイントに列挙した事項が全てというわけではありませんので、ご了承
ください。
本記事では、「こういった内容を周知・浸透することが、組織力の向上に繋がるんだ」
ということが、最もお伝えしたいことになります。
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