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組織文化とは
組織文化という言葉はよく耳にしますが、とても曖昧で捉えどころのない言葉です。
そもそも「文化」とは、捉えどころのがなく、実体がなく、明白でなく、当たり前なことと考えられているものであるため、当然と言えば当然です。
簡潔に示すと、組織文化とは
組織で働く社員の行動や発想に影響を与えるもので、
経営理念や経営ビジョン、企業としてありたい姿を示す宣言や声明、組織運営や仕事の進め方
です。
<組織文化の機能>
組織文化にはどのような機能があるのでしょうか。以下のようなことが挙げられます。
・組織文化から、従業員はどのように物事がなされるべきかを学ぶ
・従業員の態度や行動を形成し、組織への関与と従業員の行動の一貫性を高める
・組織文化によって従業員の態度や行動の基準が提供され、組織の結束力が強くなる
こういった機能であることから、
安定した環境下では、組織文化は有効に機能しますが、
昨今の顧客ニーズの多様化や変化の速さなど、環境が急速に変化したまたはしつつあるときは、
固定された組織文化が、阻害要因となりうる可能性があります。
組織文化の把握方法
前述のとおり、組織文化とは非常にあいまいなものです。しかし、上司が部下に自社の文化を説明し理解を得て、思考・行動の一貫性を高めたい場合、外部環境に適応するために組織文化の変革の必要性がある場合などには、自社の文化の全体像を把握することは重要です。
以下では、組織文化の分析に役立つ理論(フレーム)をいくつか述べます。
1.7つの本質による把握
組織文化は7つの主要特性(本質)によって形成されていると捉え、7つの視点で組織文化を把握します。
(スティーブン・P・ロビンス著の「組織行動のマネジメント(ダイヤモンド社)」より)
①革新及びリスク性向
従業員が革新的で危険を恐れないことがどの程度奨励されているか。
②細部に対する注意
細部に対してどの程度の精巧さ、分析、注意を示すことが期待されているか。
③結果志向
結果に到達する方法やプロセスよりも、結果または成果そのものをどの程度重視しているか。
④従業員重視
組織内の従業員への影響が意思決定においてどの程度重視されているか。
⑤チーム重視
個人ではなくチームを中心とした職務の活動が、どの程度体系化されているか。
⑥積極的な態度
安易な態度ではなく、積極的で競争的な態度はどの程度か。
⑦安定性
成長よりは現状維持を重視する活動が組織の中でどの程度協調されているか。
2.ジョンソン&ショールズの「文化ウェブ」理論
組織文化は相互に関連した7つの要素で形成され、これらの要素は組織の中で何が適切な行動と見なされ、
何が不適切な行動と見なされるかを明確にするもの。
①パラダイム
全ての人に共有され当たり前のことと思われている事は何か。
②決まったやり方と型通りの行動
どのような決まりきったやり方に無意識に従っているか。
③ストーリー
従業員間、取引先、新入社員などに対して、語られ発信していることはなにか。
④シンボル
ロゴや広報資料などの組織のシンボルは、組織についてどのようなメッセージを発しているのか。
⑤権力構造
組織の真の有力者、有力機関はどこなのか。それらがどのような影響を及ぼしているのか。
⑥組織構造
マネジメント階層や意思決定プロセス。
⑦制御システム
組織において何が重要かを示し、特定の活動に関心を向けさせる評価手法、管理手法、報酬体系などはなにか。
3.ホフステートの「異文化理解6次元モデル」理論
組織文化は以下の6次元で説明可能としています。
また、各次元において選択肢を対極なものにすることで、組織文化の6次元での位置を明確化します。
①「プロセス志向」か「結果志向」か
プロセス志向の文化は、低リスク、低労力。結果志向の文化は、変化や挑戦を歓迎し、高労力。
②「人間中心」か「業務中心」か
人間中心の文化は、従業員の幸福を組織の中心に置く。業務中心の文化は、業務遂行を従業員に対する関心より優先。
③「バロキアル(局地的)」か「プロフェッショナル」か
バロキアル(局地的)な文化で就業している人々は、家庭で示す特質と同じ特質を職場においても示す。
プロフェッショナルな文化で就業している人々は、家庭での行動と職場での行動を区別する。
④「開放システム」か「閉鎖システム」か
開放的な文化は、新規参入者や外部の人間を歓迎する。閉鎖的な文化は、なかなか受け入れない。
⑤「穏やかな管理」か「厳しい管理」か
穏やかな管理の文化は、労働慣行が柔軟で、服装や時間管理が穏やか。
厳しい管理の文化は、職場での活動や行動に関して自由裁量の余地が低い。
⑥「規範的」か「実利的」か
規範的な文化は、ルール、規範、手順などが厳守される。
実利的な文化は、例えば顧客ニーズを満たせるのであれば、柔軟性を許容する。
まとめ
組織文化は、とても曖昧で捉えどころのない言葉ですが、
従業員の態度や行動の一貫性を高め、組織の結束力を強くする有用な財産です。
しかし、昨今の顧客ニーズの多様化や変化の速さに適応していく際、
組織文化が、阻害要因となりうる可能性もあります。
曖昧な割に企業にとって重要な役割を果たすのが組織文化ですので、
今回述べたフレームなどで、自社の組織文化を整理してみることは重要です。
もっと詳しく知りたいという方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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