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マーケティングとは何か?
「マーケティングとは何か?」の問いに対して、「売ること」「いかにモノを売るか」との回答が、しばしばあります。確か一理ありますが、企業には継続性が求められるわけですから、「売ること・売れること」が単発的・断続的であってはなりません。また継続的にモノが売れていたとしても、個人の能力への依存度が高ければ、そういった人材が万が一離職してしまえば、企業の収益性・継続性にも影響が出てしまいます。
これらを踏まえると、マーケティングとは「売ること」「いかにモノを売るか」ではなく、
誰がやっても何度やっても「売れ続ける仕組みを作ること」
と言えます。
BtoB市場とBtoC市場の主な違い
「BtoB市場(企業-企業間取引市場)」と「BtoC市場(企業-消費者間取引市場)」には、以下のような特徴の違いがあります。
BtoB市場 | BtoC市場 | |
---|---|---|
市場特性 | 顧客数は限定的で少数 | 顧客数は不特定多数 |
商材知識 (売り手基準) |
同等か相対的に高い | 相対的に低い |
購買目的 | 売上拡大、コスト削減、品質改善などの戦略実現であり、ニーズ(課題)は会社、部署、個人(商材利用者)によって様々 | より良い生活など、情緒的メリットを追求 |
意思決定 | 購買者、使用者、意思決定者などで形成される購買組織が評価・判断し、意思決定までのプロセスが複雑で時間が掛かる | 高額な消費財を除き、基本的に個人が判断 |
マーケティングの基礎理論
一般的なマーケティング策定プロセス(F.コトラー)は、STP+4Pの策定とされています。
STPとは、
S:ニーズの同質性を基本軸にグループ化する事で、市場を細分化し(Segmentation:セグメンテーション)
T:細分化された市場の「どこ」をターゲットとするかを決め(Targeting:ターゲティング)
P:ターゲット市場での自社の立ち位置を明確する(Positioing:ポジショニング)
の各々の頭文字をとったもので、これらは、マーケティングの基本戦略(基本方針)です。
STは、大企業と比して経営資源が少ない中小企業にとって、収益性・成長性・実現性の高い市場に資源を集中させるために重要です。
また、Pの”立ち位置”とは、「選ばれる理由」「強み」を指します。
4Pとは、
・製品(Product)
・価格(Price)
・売り場所(Place)
・売り方(Promotion)
の各々の頭文字をとったもので、選択した市場での”立ち位置”を確立させるための戦術、つまり、STPを実現させるための手段です。
BtoB市場のマーケティング策定プロセス
①セグメンテーション
セグメンテーションとは、前述とおりニーズの同質性を基本軸にグループ化し市場を細分化することです。前述のBtoBとBtoCの市場特性の違いを考慮し、下図のようなBtoB特有の評価軸で市場を細分化します。この段階でターゲットとなりうる顧客セグメントを鮮明化するため、マーケティングにおいて非常に重要なプロセスです。
※BtoBの場合には、企業、部署、個人といった組織属性も考慮に入れます。
また、以下のような観点からセグメント評価し、セグメントを規定します。
・到達可能性:マーケティング活動が可能かどうか。
・差別化可能性:マーケティングミックスが異なればその反応も異なるかどうか。
・利益獲得可能性:十分な市場規模があり、十分な利益が獲得可能かどうか。
・実行可能性:市場を惹きつける事が可能かどうか。
・測定可能性:規模や購買力が測定可能かどうか(=データが取れるかどうか)。
・定義可能性:顧客の共通点(ニーズ)が明確であるかどうか。
②ターゲティング
セグメントの魅力度と自社の適合度をスコアリングして評価し、ターゲット市場の絞込みます。その際には、各評価項目に重み付けも考慮します。
③ポジショニング
自社が選ばれる理由(強み・購買決定要因)を競争軸としていくつか選定し、自社の提供価値(「選ばれる理由」がもたらす顧客への効用)の程度が大きくかつ、自社の提供価値>競合の提供価値 となるような、ターゲット市場における自社の立ち位置を策定します。
④4P
STPを実現するために必要な、4P=製品(Product)、価格(Price)、売り場所(Place)、売り方(Promotion)を具体化します。
まとめ
●マーケティングとは、誰がやっても何度やっても売れ続ける仕組みを作ること。
●「BtoB市場(企業-企業間取引市場)」と「BtoC市場(企業-消費者間取引市場)」には様々な特徴の違いがある。
●一般的なマーケティング策定プロセスは、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)+4P(Product(製品)、Price(価格)、Place(売り場所)、Promotion(売り方))。
●BtoBとBtoCの市場特性の違いから、BtoB市場特有の評価軸で市場をセグメンテーション(細分化)する。
●セグメントの魅力度と自社の適合度を評価し、ターゲット市場の絞込む。
●自社の提供価値の程度が大きくかつ、自社の提供価値>競合の提供価値となるような、ターゲット市場における自社の立ち位置を策定する。
●ターゲット顧客(市場)における自社の立ち位置を実現するために、4Pを通じて具体化・具現化する。
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